地元で骨董品の収集家として知られていた祖父が亡くなり、私達家族がもっとも頭を悩ませたのは収集品の処分でした。
祖父の家にはたくさんの骨董品が詰め込まれており、片付けをするにもかなりの手間がかかりそうです。
父や叔父など親戚の誰か1人でも祖父の跡を継いで骨董品について興味がある人がいればまた違ったのでしょうが、残念なことに誰1人としてそちらの趣味がなく、どれほどの価値があるのかまったく判らないままでした。
親戚一同頭を悩ませたもののどうしたらいいか判らないまま月日は経ち、空き家になっていた祖父の家をいよいよ処分しなければいけないという時期がやってきました。
空き家を放置していては何かがあった時にご近所の方に申し訳が立ちませんし、親戚一同にとっても祖父の家がそのまま放置されているという心理的な負担があります。
祖父の家の処分は私たちにとって、大好きな家族とのお別れをするための最後の仕事でもありました。
空き家の処分自体はその後の土地の売却などを含めてとんとん拍子で進んだのですが、ここで問題になったのがあの骨董品についてです。
生前の祖父は焼き物や掛軸、絵画、ガラス製品などありとあらゆるものに手を出しており、一つ一つ処分を進めていくにはあまりにも膨大な時間がかかります。
祖父の家は地方にあって普段住んでいる自宅から行くには時間がかかり、片付けのために通うにも限界がありました。